手をかける時間が、道具を“自分のもの”にしていく。
フェアーハンドを使いはじめて、もう20年?になりますが、火を灯すたびに「あー、やっぱいいな」といまだに思います。
オイルを注ぎ、芯を整え、煤を払う──その時間が、なんとも落ち着く。
今回は、そんなフェアーハンドを長く使うための芯交換とお手入れについて、20年間の使用経験をもとに紹介します。

芯交換は“儀式”みたいなもの
オイルランタンの炎は、芯の状態でほとんど決まります。芯の先端が焦げても心配はいりません。
先端が2〜3mmほど焦げるのは普通で、それがむしろ安定した炎を作ります。
ただし、焦げが大きいと、煤が出やすくなりますので注意が必要。そんな時は、芯の先端を少し切り落として整えてください。
また、芯を出しすぎると焦げやすくなるので、火の高さを見ながら少しづつ調整が必要です。逆に芯が短くなりすぎると、オイルを吸い上げにくくなって燃えにくくなります。
その時は芯を交換してあげましょう。
芯を交換する時の流れはシンプル
- トップリングを引いてフードをあげる。
- ホヤを注油口と反対側に倒す。
- 火力調節ハンドルを反時計回りに回す。
- バーナーと芯を取り出し、芯を外す。
- 新しい芯をバーナーにセットする。
- 芯の高さを調節して交換終了
①トップリングを引いてフードをあげる。

②ホヤを注油口と反対側に倒す。

③火力調節ハンドルを時計回りに回す

⑤バーナーと芯を取り出し、芯を外す


⑤新しい芯をバーナーにセットする。


⑥芯の高さを調節して交換終了。

芯にオイルを染み込ませるため、交換後は30分ほど置くと良いでしょう。
オイル補充と掃除のコツ
芯を替えたら、オイルタンクの中も覗いてみてください。
フェアーハンドの燃料は灯油かパラフィンオイルの2種類です。特徴としては・・・
- 灯油:臭くて煤が出やすいが、安価でどこでも手に入る。
- パラフィン:臭いや煤は出にくいが、灯油より高い。
僕は灯油も使いますが、初めての方はパラフィンオイルがおすすめです。また、長期間使わない場合は、安全のためにオイルを抜いときましょう。(それか転倒しないように固定)
掃除ですが、20年使ってみた結果、ほったらかしても全然使えますが──
本体は錆びやすいので、濡れていたら乾かしましょう。防錆オイルを塗ってあげてもいいかもしれません。
気軽にできるメンテナンス道具たち

フェアーハンドのメンテナンスに必要な小物は、どれも安価で手に入りやすいものばかりです。ネットで購入できるので、準備に手間はかかりません。
また、作業にドライバーなどの工具も不要なので、気が向いた時にサッとお手入れができます。必要な小物は以下の通り。
- 交換用芯(幅12.5-1.3mmタイプ)
- 作業用トレイ
- キッチンペーパー など
特別な道具も高価な備品も入りません。ちょっとした時間に、灯りを整える。その気軽さが、フェアーハンドの魅力のひとつです。
オプションパーツで、もっと愛着がわく
オイルランタンの魅力は、手入れをしながら長く付き合うこと。芯の交換はもちろん、ホヤを変えたりリフレクターを付けたりとオプションパーツも豊富です。
ちょっとしたカスタムで、自分だけのランタンに育てていく楽しさがあります。
道具を育てるって、結構楽しい
最初は「めんどくさそう」と思っていたメンテナンスも、気づけば休日のルーティーンに。
ホヤを拭いて、芯を整えて、オイルを注ぐ。なんか、それだけでも整う気がします。
たぶん、“手にかけた分だけ味が出る”ってランタンも人も同じなのかもしれませんね。