前回はハンドルノブのオーバーホールについて紹介しました。
今回は前回よりボリュームアップして──、ハンドル周り〜ドラグ周りのオーバーホールをやってみたので紹介します。
だっち
1985年生まれ|釣り歴10年
子供の頃バス釣りに夢中になり、一時離れるが大人になって再燃したアラフォーアングラー。
釣り道具のレビューや釣行したフィールドレポート、ほか釣りに関してまとめた情報を配信しています。
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所有時間 | 60分 |
LEVEL(難易度) |
オーバーホールに必要なもの
ベアリングチェックツール
ベアリングの動作確認に必要。
レンチ
ハンドルを外すために使います。サイズは10
ピンセット
細かいパーツを掴むのに便利。
プラス・マイナスドライバー
ネジやパーツ(Eリング)を外すために使用。
グリス(オイル)
ギヤ、ウォームシャフト、ベアリングなどの可動部に注油。僕はグリスをメインで使用しますが、好みや使用用途でオイルを使うのもありです。
筆
パーツにグリスを塗るとき使用。100均で購入。
分解手順
ざっくりですけど分解していく流れです。
STEP①ハンドル周りの分解方法
❶ネジを外す
ドライバーは1を使用
❷ハンドルスクリューを外す
レンチを使って赤丸のハンドルスクリューを外します。ここを外すとハンドル周りが分解できます。
ハンドルの裏にワッシャーがついているので注意
ハンドル周り最後のパーツ
ハンドル周りはこれでOK
STEP②ブレーキダイヤル側の分解方法
❶サイドプレートを外す
赤丸のネジを10円で回して外します
スプールを取り外して──、
❷スプールシャフトとベアリングを清拭➡︎注油(グリス)
スプールシャフトをふきふき
つけすぎると回転性能を損なう恐れがあるので注意してください。
- スプール部ベアリング(写真左)
- スプールシャフト(写真右)
❸ウォームシャフト部のパーツを外す
先にここを外しとけば、STEP③のときにウォームシャフトを抜くことができます。
Eリングが飛んで行かないように慎重に外しましょう
Eリングの外し方はこちらを参考にしてください
Eリングはちっちゃいので紛失注意
赤丸をマイナスドライバーで緩めときます。
これでステップ②の作業は終了。いよいよ次はメインです
STEP③【メイン】メカニカルブレーキ側の分解方法
❶3つのビスを外す
ビスを外すとカバーが外れます。青丸のビスだけ長さが違うので注意
❷ドライブギヤ周りを外す
ギヤとディスクの間にドラグワッシャーが挟まってます
❸ピニオンギア周りを外す
クラッチスプリング×2を取ります
ピニオンギヤとクラッチプレートを外します
❹ウォームシャフトを外す
Eリングをマイナスドライバーで外します。紛失注意
ウォームシャフトを引っこ抜きます
STEP3での分解は以上です。
❺パーツの洗浄➡︎清拭
パーツクリーナーで各パーツを洗浄していきます。洗浄したらパーツクリーナーが残らないように清拭しましょう。
❻グリスを注油する
今回、メインで使うのは「ダイワSLPワークス104」です。グリスは付けすぎないように注油しましょう。
ドラグワッシャーにはドラグ専用のグリスで注油します。ドラグ専用グリスは色々と種類があるので、必要に応じたものを選びましょう。選ぶポイントとしては──、
- スピニング➡︎低粘度 ベイトリール➡︎高粘度
- 狙う魚種など負荷にあったのを選ぶ
ギヤの歯の部分にも忘れずにグリスを塗りましょう
ワンウェイクラッチ周りの分解方法
僕は無理して外そうとして壊した経験あり。
赤丸のところを手で摘んで取り出します。
極圧添加剤入りのグリス・オイルはワンウェイクラッチに注油してはいけません。空転してしまい逆転防止が機能しなくなるからです。指定されたものを使うようにしましょう。
キョクアツテンカザイって???
極圧添加剤
条件のきわめて苛酷な潤滑状態における焼付きやスカッフィングを防止し,潤滑油の潤滑性能を向上させるための添加剤をいう.有機硫黄化合物,有機リン化合物,有機ハロゲン化合物などがある.
出典:コトバンク
ワンウェイクラッチは赤く錆びてたのでチェンジ
ベアリングを洗浄➡︎注油。動作チェックも忘れずに
各パーツに注油をして、分解したときと逆の順番で組み立てれば終了です。
まとめ
作業時間はかかりましたが、分解後の組み立ても問題なく動作も良好でとりあえずほっとしてます。肝心の使用感ですが・・
劇的に変わった──、わけじゃないけど巻き心地は軽くなった。
って感じですかね。変化を感じられたのは素直に嬉しいです。ただ僕はもうちょっとヌルッとした巻き心地が好きなので、次はもう少し粘度のあるグリスを試してみたいと思います。
最後にオーバーホールの注意点をまとめてみました。
元の状態を忘れない
当たり前ですが、ここが曖昧だとリールをバラしたとき元に戻せなくなります。取り付ける向きが決まっているパーツもあるので、注意深く確認しましょう。不安な方はパーツを取り外す前に写真を撮るのがおすすめ。
パーツを取り外すときは慎重に
パーツの裏とかに細かいパーツ(ワッシャーなど)がくっついてたり、スプリングが急に飛び出して紛失する恐れがあります。パーツを取り外すときは1つ1つ丁寧かつ慎重に行いましょう。
注油は適所に適切なグリス(オイル)を
やり方によってはリール本来の性能を低下させてしまいます。正しい注油方法を理解して、用途によってグリス(オイル)の種類を使い分けましょう。
注意事項を意識すれば正直できるもんだなーってかんじ。リールの構造や仕組みを理解したい人は是非チャレンジしてみましょう。